第二話 ブロンズの鉄板ナポリタン
第二話はブロンズさんの鉄板ナポリタンです。
ところで、なぜ、物語でもないのに「第○話」という表題をつけるかというと、このブログのタイトルの元ネタが『孤独のグルメ』だからです。
『孤独のグルメ』はいまではすっかりドラマでお馴染みですね。漫画の単行本は1997年に発行されています。今から数えると二十年前になり、考えてみると結構、昔です。私は2000年代の中頃くらいに、文庫版で読み、あの独特の面白さに魅了されました。
その当時もまだマイナーな漫画だったので今みたいにドラマ化され、season6まで制作される人気作品になるとは夢にも思いませんでした。
このブログもゴローちゃん(註1)の語り口調風に文章を綴ろうかとも思ったのですが、それに縛られるのも大変だし、そもそも下手なパロディになるだけだと思いやめました。
余談が長くなってしまいました。大洗グルメの話に戻りましょう。
さて、大洗を訪れた時にどうしても食べてみたかったのがブロンズさんの鉄板ナポリタンでした。
これは OVA『ガールズ&パンツァー これが本当のアンツィオ戦です!』に登場する鉄板ナポリタンをモチーフにした一品なのですが、元々、喫茶店のナポリタンが大好きということもあり、初めて大洗を訪れた時、二日目のお昼にブロンズさんを訪れました。
13時過ぎくらいに店に行ったのですが、平日とあってか、この時は特に行列もなく、並ぶことなく店内に入ることができました。
ブロンズさんは大変な人気店なのですが、原則的に女将さん(註2)が一人で切り盛りされているので、休日の昼時となれば、常に行列が出来ていることで有名です。
平日とはいえ、初来店にして並ばずに済んだのは運が良かったというべきでしょう。
ガルパンのキャラ看板設置店ですので、店先にはアンツィオ高校のペパロニがいますね。いまは三代目が設置されていると思いますが、この当時は二代目のペパロニです。
鉄板ナポリタンについて、入口の看板のペパロニ曰く「あのレシピを再現したぜ!限定なので売り切れ御免!」とのこと。
売り切れの心配と同時に、期待が高まりますね。
店内に入ると、ファンの方々から寄贈された色紙や写真などが壁一面に貼られていて、作品がグッズも棚や空いたスペースに飾ってありました。
このお店が多くのファンの方々から愛されているということが伝わってきます。
天井もこのとおり・・・
中でも気に入ったのはこの作品です。
ブロンズさんには往年の名スター・石原裕次郎の写真が飾ってあるのですが、それをモチーフに描かれたイラストです。裕ちゃんもさることながら、アンツィオ高校三人娘の表情がとても良いですね。
おっと、一代目のペパロニはここに居ました。ちょっと無愛想な表情ですが、この表情も嫌いじゃないです。
さて、迷わず鉄板ナポリタン(1,250円)を註文。料理を註文するとドリンクがサービスで附いて来るのですが、私は杏ソーダをお願いしました。
杏ソーダ
コースターはすべてガルパン仕様になっています。この時は、ウサギさんチームのロゴがあしらわれたコースターでした。
なお、杏ソーダは甘酸っぱくて乾いた喉にぴったりの一品です。杏のエキスがコップの下にあるので、混ぜて飲むのが吉。
さて、すでに述べましたように、女将さんが一人で切り盛りされている(いま、流行りの言葉でいうとワンオペ)ので、註文から料理が出てくるまで決して早くはありません。30分以上は覚悟しておきましょう。
とはいえ、店内にはガルパン関係の書籍が充実している本棚があって、自由に閲覧できるため、これを読んでいるとあっという間に時間が過ぎますし、店内のイラストやグッズ、名刺などを眺めているだけでも飽きないので、待ち時間はあまり苦になりません。
この時は、『ガールズ&パンツァー これが本当のアンツィオ戦です!』の公式パンフレットの「吉岡麻耶の大洗探訪!!」というアンチョビ役の声優・吉岡麻耶さんが大洗町を探訪する記事を夢中になって読んでいたので、鉄板ナポリタンが運ばれてくるのもあっという間でした。
ということで、お待たせしました。これがブロンズさんの鉄板ナポリタンです!
見た目からして美味しそうですよね。パスタの上に豪快に乗ったスクランブルエッグが特徴的ですが、なんと茨城県特産の「おれんじ卵」を3個も使っているそうです。
あと、ピーマンやウィンナーが確認できます。
いかにも喫茶店のナポリタンという趣で食べる前から胸が躍ります。
それでは、いただきます!
・・・うまい!!もう、見た目通り美味しいです。
なんというか、「喫茶店のナポリタンはこれだ!」というものを皆さん自分の中で勝手に作り上げているのではないかと思うのですが(お前だけだよというツッコミは甘んじて受けつけます)、私にとっての喫茶店のナポリタンの味がまさにこれでした。
実に懐かしい味がするんですよね。
寺山修司風に語るならば・・・
このナポリタンをぼくが初めて食べたときに、あぁ、このナポリタンとは以前にも出逢ったことがあるな、子供の時か、どこか遠い記憶の中で食べたことのある味だと、まぁこう思ったわけです。
という感じでしょうか。(意味が分からない人、すみません)
『月刊戦車道』増刊号第4号(註3)に掲載されている女将さんのインタビューによると味付けは市販のケチャップのみで、これが懐かしい味わいの秘密なのだとか。
なるほど、それで懐かしい味がするのかー・・・と納得させられそうになる一方、市販のケチャップのみであれだけの味を演出できるとは、やはり凄いというほかありません。
他にも、一度茹であがった麺を水洗いすることで、麺のベタつきを抑え、引き締まった歯ごたえのあるパスタに仕上げているのだとか。うむむ、いろいろ工夫されているのですね。
あと、具材に豚肉が入っていて、これもナポリタンの味にアクセントを与えてくれています。
つらつら書きましたが、一言で云うと「ボーノ!」(イタリア語で美味しいの意)ということで、このお店にいつも行列の出来ているのもうなずけます。
さてさて、お会計のとき、女将さんが平然と「はい、1,200万リラね」と二重のギャグを放り込んできて、これには思わずニンマリさせられました。
正しい返しは「えぇ!?いつの為替レートですかぁ!?」(by.秋山殿)なのでしょうが、咄嗟に反応できませんでした。
きちんとこの返しをしてるお客さんもおられ、流石、プロのガルパンさんは違うなぁと新参者は思ったのでありました。
第二話にしてやや冗舌になってしまいましたが、また、次回!
【お店情報】
店名:ブロンズ
TEL:029-266-0721
住所:茨城県東茨城郡大洗町磯浜町684
営業時間:11:00~14:00、16:00~18:00 ※不定休
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(註1)云わずと知れた『孤独のグルメ』の主人公・井之頭五郎のこと。独特の語り口調とそこから飛び出す名言にファン多し。
(註2)なお、女将さんは、御自身のことをペパロニをもじってババロニと自称されている。流石に、ババロニさんというのはなんだか気が引けるので、この記事では女将さんとお呼びしております。
(註3)ガルパンファンブック。ガルパン作品内に存在する架空の雑誌『月刊戦車道』をモチーフに、その増刊として第6号までバンダイビジュアル(株)によって発行された。